前回のブログで、むし歯は「歯に穴があいて痛くなる病気」ではなく「お口の中のpH調節障害の結果、歯が溶ける病気」、というお話をしました。ということは歯に穴があかなくても「むし歯」という状態もあり得るということです。今回はそんな話も絡めつつ、削らなくてもよい虫歯と削らなくてはいけないむし歯の違いについてご紹介していきたいと思います。
むし歯はpH調節障害の結果、歯が溶けだして起こります。どんどん歯が溶けると歯はどのようになるでしょうか?歯はスカスカになり弱っていきます。次第に咬む力に耐えられなくなり弱ったところが欠けて、むし歯の穴・すなわち「う窩」を形成します。そしてさらに歯が溶けていくと歯の神経まで達して神経の炎症を起こします。ここまで進行すると時には激しい痛みがでることもあります。
このように進行するむし歯ですが、むし歯により歯が欠けたり穴があいたりすると、見た目が悪くなったりお食事を摂ったりするのに不便になってきます。このような状態になったら虫歯を削った後、しっかり歯の形態を回復するために詰め物やかぶせ物をしていかなくてはなりません。
詳細は日本歯科保存学会の齲蝕治療ガイドラインで削って治さなければいけないむし歯の基準が規定されているのでご紹介致します。
① むし歯による穴があいている。
② むし歯によって食べ物が挟まったりしみたりする。
③ むし歯によって見た目が良くないと感じる。
④ レントゲン写真で象牙質の1/3以上むし歯がすすんでいる。
⑤ むし歯リスクが高いと判断できる。
江東区北砂・大島・東砂の歯医者 みとも歯科医院では、患者様お一人お一人検査を行った上でしっかりと診断し、削るべきなのか削らないのかをしっかりと判断して患者様に優しい治療を心がけています。
また、削らなくてもいいむし歯は、けっしてそのままでもよいというわけではありません。穴はあいていなくても歯は溶けだしてしまっているので、何らかの改善が必要です。それを怠るとたちまち歯に穴があいてしまいます。削らなくてもよいむし歯は別の「治療法」があるのです。それは別の機会でこのブログで紹介したいと思います。