皆さんは「むし歯はどんな病気ですか?」と聞かれたときに、どんな風に答えますか?多くの人は「歯が溶けて穴があく病気で、歯が痛くなる。」と答えるのではないのでしょうか?実はむし歯という病気は「歯に穴があいて痛くなる」病気ではないんです!もちろんそういうこともありますが、それは虫歯の一症状でしかありません。今日は虫歯とは何か?についてご紹介致します。
虫歯は専門用語で「う蝕」といいます。う蝕によって歯に穴があいた状態を「う窩」といいます。
そもそも、お口の中の歯の表面では、歯の成分であるミネラルが溶けだす「脱灰」とミネラルが歯の中に戻って結晶化する「再石灰化」が繰り返されています。要するに歯の表面は常に溶けたり固まったりしているわけです。お口の中の「脱灰」と「再石灰化」のバランスが崩れると、歯がどんどん溶けだしていきます。
何も食べていないときの歯の表面はだいたい中性ですが、いったん口の中に食べ物や飲み物が入ると、むし歯菌が作り出す酸が増えて歯の表面が酸性になり、歯のミネラルがどんどん溶けだします。
歯には「臨界pH」というのがあって、このpHより下回れば歯は脱灰傾向を示し、上回れば再石灰化傾向を示します。値は歯の表面のエナメル質が5.5くらいです。
一日の時間でお口の中のpHが臨界pHを下回り「脱灰」時間が長くなればどんどん歯は溶けていきます。これが虫歯の本質で、むし歯・すなわちう蝕は「お口の中のpH調節障害の結果、歯が溶ける病気」なのです。
ではどうすればむし歯を治すことができるのでしょうか?基本的に疾患は原因を除去すると治ります。虫歯はお口の中のpH調節障害の結果で起こる病気なので、pH調節障害の原因を突き止め改善する必要があります。ここまでくるとお気づきの方もいらっしゃるでしょう。虫歯を治すことは「むし歯を削って詰める」ことではないのです。根本の原因はpH調節障害の原因を突き止め改善することなのです。これをせずに削って詰めるだけでは、いずれすぐに再発したり違う歯がまた虫歯になるでしょう。
pH調節障害の原因はなにか?それはズバリ「食習慣」と「歯ブラシ習慣」にあります。
もっと詳しいことはまたこのブログで、ご紹介していきたいと思います。
むし歯になりやすい人は「自分は体質的にむし歯になりやすいから・・・」と思ってしまう人もいます。もちろん唾液の性状や歯の石灰化度の具合で溶けやすい人はいるかもしれません。しかし、「食習慣」と「歯ブラシ習慣」を見直すことで、むし歯の発症をグっと減らせます。体質だから・遺伝だからとあきらめないでください!共にがんばりましょう!!!